女性の社会進出が進む中で、結婚や出産といったライフステージの変化に対応しながら働ける手段として、「資格を持って働く」という選択肢が注目されているように感じます。
私自身、大学生の頃に「将来は子どもを育てたい」「それでも社会で働き続けたい」という思いがありました。その二つを両立できそうな仕事として出会ったのが税理士です。そして、その思いから税理士を目指しました。
今回は、実際に女性税理士として税理士事務所で働く中で感じていることを紹介したいと思います。
人手不足のため仕事を見つけやすい
税理士資格を持っていると、現状では非常に転職しやすい業界だと感じています。
私も一度転職を経験しましたが、税理士試験をすべて終えた状態だったこともあり、応募した法人はすべて選考を通過しました。当時は実務経験もまだ浅かったにもかかわらず、このような結果になりました。
資格を取得し、数年間の実務経験を積めば、たとえ数年間のブランクがあったとしても、仕事探しで大きく困る可能性は低いと感じています。
一方で、税理士業界もAIの普及によって大きく変化し始めています。数年後には今とは求められるスキルが変わっている可能性もあり、「資格さえあれば安心」という時代ではなくなっていくかもしれません。
それでも現時点では、税理士資格は転職や就職において大きな強みになります。少なくともここ数年は、その価値が急激に下がることは考えにくいと感じています。
まだまだ男性が多い業界
女性税理士は年々増えていますが、それでも税理士業界はまだまだ男性が多い業界です。
私が最初に勤めた税理士事務所では、部署の中で女性は私一人でした。現在勤務している事務所でも、男女比はおよそ7対3ほどで、やはり男性の割合が高いと感じます。
以前は「税理士事務所=長時間労働」というイメージも強く、夜遅くまで働くことが当たり前の職場も少なくありませんでした。そのような環境では、家庭との両立は非常に難しかったと思います。
近年は働き方改革の影響もあり、労働環境が改善された事務所が増えてきました。しかし、管理職やベテラン職員には、昔の厳しい働き方を経験してきた方も多く、その価値観が残っている場面もあると感じます。
女性が働きやすい環境は少しずつ整ってきていますが、まだ発展途上というのが率直な印象です。
資格取得はスタートライン
税理士試験の勉強をしている頃は、「資格を取ること」がゴールだと思っていました。
しかし、実際に資格を取得して働き始めると、本当のスタートはそこからでした。
事務所には、相続、事業承継、組織再編、国際税務など、それぞれの分野で高い専門性を持ち、お客様から信頼を集めている税理士がたくさんいます。
その姿を見るたびに、「自分はどの分野で強みを作っていくのか」「どのような専門性を身につけていくのか」を考えるようになりました。
また、将来ライフステージの変化により、一定期間仕事を離れることになったとしても、「この分野なら自分に任せてもらえる」という専門性があれば、自信を持って仕事に復帰できるのではないかと思っています。
だからこそ、資格を取得することだけで満足せず、その後も学び続けることが大切だと日々感じています。
最後に
今回は、女性税理士として働く中で感じていることを紹介しました。
税理士という仕事は、資格があることで働き方の選択肢が広がる魅力的な職業です。一方で、まだまだ男性が多い業界であることや、資格取得後も専門性を磨き続ける必要があることなど、実際に働いてみて初めて分かることもたくさんあります。
これから税理士を目指す女性や、税理士事務所への転職を考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
